医療の最前線から学ぶ専門情報ブログ

〜医師の視点でお届けする健康ケアお役立ち情報〜

Dr.脇坂 VOL.07

NEW

血管の老化が進むとき。微小脳梗塞から考える、脳と全身の健康

年齢を重ねると、身体のあちこちに変化が現れます。
筋力の低下や疲れやすさは自覚しやすい変化ですが、実はもっと静かに、そして確実に進行しているものがあります。
それが「血管の老化」です。

血管は、全身の細胞に酸素と栄養を届ける生命線です。
この血管の状態が変化することは、全身の機能だけでなく、脳の健康に影響を及ぼします。

今回は、「微小脳梗塞」というキーワードから、血管の老化と全身の健康について考えてみたいと思います。


血管は年齢とともに確実に変化していく

動脈硬化という言葉はよく知られていますが、年齢とともに血管は硬くなり、しなやかさを失っていきます。
さらに血管の内側を覆う「内皮」と呼ばれる部分の働きも徐々に低下していきます。
内皮は、血管を広げたり縮めたりする調整の一部を担っていて、血液をスムーズに流すために非常に重要な組織です。
この機能が低下すると、血流は不安定になり、血管の炎症が起こりやすい環境へと変化していきます。
そして重要なのは、影響を最初に受けるのは太い血管ではなく「細い血管」であるという点です。
脳や心臓、腎臓などの臓器には、毛細血管を含む非常に細い血管が無数に存在します。


微小脳梗塞とは何か

微小脳梗塞とは、非常に小さな範囲で起こる脳の血流障害のことを指します。
多くの場合、はっきりとした症状が出ませんが、物忘れや軽いふらつきなど、加齢と区別がつきにくい変化として現れます。
自分でも気づかないことが多く、頭部MRI検査を行った際に偶然見つかるケースが多いのが特徴です。
症状が強く出ないから、見過ごされやすい。それが微小脳梗塞の難しい点です。
また、血管の状態がすでに健全とは言えないことを示すサインでもあります。


なぜ微小脳梗塞が問題になるのか


微小脳梗塞は小さな変化に見えますが、長期的には重要な意味を持ちます。
ひとつは、将来的な脳血管障害のリスクが高まる可能性があることです。
小さな血流障害が繰り返されることで、脳の白質と呼ばれる部分が徐々にダメージを受けます。
さらに、微小脳梗塞が見つかる方は、全身の血管にも同様の変化が起きている可能性があります。
つまり、脳だけの問題ではなく、心臓や腎臓、さらには全身の血管にも影響が及んでいる可能性があるのです。


微小脳梗塞の背景にある血管の老化

では、なぜ微小脳梗塞が起こるのでしょうか。
背景にあるのは、血管の老化です。
血管内皮機能が低下すると、血液が流れにくくなり、微細な血栓が生じやすい環境になります。
また、加齢や生活習慣の影響により、血管の中では慢性的な炎症が続いている場合があります。
炎症は血管壁を傷つけ、修復と障害を繰り返す中で徐々に血管の質を変化させていきます。
この段階でどのように血管環境を整えていくか。
それが、将来の脳と全身の健康を左右する鍵になると私は考えています。


治療すべき病気ではないが、放置してよい状態でもない

微小脳梗塞は、薬物治療としては、血圧管理や脂質異常症の改善、抗血小板薬の使用などが検討されることがあります。
これらは確かに重要です。
ですが、微小血管レベルで進行する血管環境の変化を、薬だけで完全にコントロールできるかというと、必ずしも十分とは言えない領域があります。

 

そこで重要になるのが生活習慣の改善です。
適切な運動。
食事の見直し。
十分な睡眠。
ストレスのコントロール。
これらは血管内皮機能の改善に寄与することが知られています。
しかし現実には、生活習慣を整えていても、加齢そのものによる変化までは止められないケースがあります。
健康意識が高い方であっても、MRIで微小脳梗塞が見つかることは珍しくありません。
つまり、「努力しているのに追いつかない」状況が存在するのです。
そのときに、もう一段階踏み込んだ医療的アプローチはないのでしょうか。


血管環境を整えるという医療の考え方


これからの医療は、「詰まる前の環境を整える」視点が重要になると考えています。
血管の中では、炎症と修復が絶えず繰り返されています。
修復が再生の方向に適切に働けば、血管は本来の機能を保つことができます。

 

つまり、炎症・修復・再生の流れを整えることが、血管の質を左右するのです。
この視点は、従来の対症療法とは少し異なります。
数値を下げることだけを目標にするのではなく、血管そのものの働きを支える医療です。
その選択肢のひとつが、再生医療です。


自家由来幹細胞点滴という選択肢

再生医療のなかに、ご自身の幹細胞や幹細胞が分泌する様々な細胞因子を使用する方法があります。
これは、ご自身の骨髄や脂肪から採取した幹細胞を培養し、幹細胞そのものや幹細胞培養上清液を点滴で体内に戻す再生医療です。
自分自身の細胞を用いるという点は、安全性の面でも大きな意義があります。
幹細胞や幹細胞培養上清液は炎症を抑える作用や、組織修復から再生への流れを助ける働きを持つことが研究で示されています。
特に、血管内皮機能への作用や改善に関する報告が蓄積されています。
もちろん、一度の点滴ですべてが若返るというものではありません。
しかし、これまで多くの症例を経験する中で、変化を実感される方がいらっしゃるのも事実です。

 

当院では、症例数と臨床経験を積み重ねながら、安全性を最優先に提供しています。
血管老化に対して、「環境を整える」という考え方を具体化する方法のひとつとして、検討される価値があると考えています。


まとめ― 血管の老化に、どう向き合うか ―

血管の老化は、音もなく進行します。
自覚症状がないからこそ、注意が必要です。
微小脳梗塞は、「血管からの静かなメッセージ」と捉えるべきだと私は考えています。
将来の脳卒中を防ぐこと。
認知機能を守ること。
そして全身の健康寿命を延ばすこと。
そして、自分に合った方法で血管環境を整えていくことから始めてみてはいかがでしょうか。

新CM公開中! 薄毛治療を相談する
WEB予約

ご予約/お問合せ

頭髪治療・
メンズヘルス