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Dr.脇坂 VOL.04

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幹細胞培養上清液で実現する、再生医療の手軽な選択肢と健康管理

診察中に、「検査で異常はないけれど体調がすぐれない」「疲労からの回復に時間がかかる」といった相談を受けることがあります。
それは、からだの調整力の不調や細胞修復力の低下の最初のサインかもしれません。

そうした体調の変化は、近年、病気になる前の症状として認識されるようになり、未病と呼ばれています。
そして、この未病に対する対策の選択肢として、再生医療が注目されるようになりました。

本記事では、再生医療の分野の中でも幹細胞培養上清液について、その考え方や情報を整理して、健康管理の視点から解説します。


再生医療とは?

再生医療は、患者さん自身の細胞やそれに準ずる生体材料を用いて身体機能の回復を目指す医療です。
これまでの医薬品や手術では治療が難しい疾患や効果的な治療法が無かった疾患に再生医療が利用され始めており、病気になる前の健康維持にも有効性が確認されています。


幹細胞とは?

私たちが生きている限り、からだの中で、古くなった細胞は新しい細胞に絶えず入れ替わっています。
その時に、足りなくなった細胞を生み出して、組織や臓器を正常な状態に戻す機能を持った特殊な細胞があります。
その能力を持つ細胞を、幹細胞と呼びます。

幹細胞が持つ特別な能力は、自身と同じ細胞を増やす自己複製能だけでなく、必要とされる細胞に変化する分化能を持っていることです。
私たちのからだの中で、老化で古くなったり、病気やケガで損傷したりした細胞を入れ替えるために、幹細胞は新しい細胞を作り出し、組織や臓器の修復と再生を行っているのです。


幹細胞治療とは?

私たちは、生まれてきた瞬間から、からだの中の幹細胞の機能が弱まっていき、数が減っていくため、加齢とともに免疫力が低下し病気やケガからの治癒力が落ちていきます。

そこで、世界中で幹細胞が研究され、必要な幹細胞を体外で培養し増殖させ自身のからだに戻す再生医療が生まれました。
幹細胞治療は、組織や臓器を修復するだけでなく、血管や神経の再生、炎症や疼痛の抑制にも有効です。


幹細胞培養上清液とは?

幹細胞培養上清液とは、幹細胞を培養し細胞を増殖させる際に、増殖した幹細胞から分泌される成分を含んだ上澄み液のことを指します。
脂肪や骨髄、歯髄、臍帯から採取した幹細胞を培養し、細胞を濾過して作成した幹細胞培養上清液には、幹細胞が放出したサイトカインや成長因子、エクソソームなどが含まれています。


幹細胞培養上清液治療とは?

サイトカイン、成長因子、エクソソームは、細胞同士の情報伝達や免疫応答を担っていて、細胞の再生に働いて組織や臓器を修復し再生させる機能を持っています。
つまり、それらの成分を大量に含む幹細胞培養上清液を、点滴や局所への注射などで私たちのからだの中に取り込めば、幹細胞治療と同様の効果が期待できるのです。

幹細胞培養上清液治療のポイントは、自分の幹細胞を培養して細胞そのものを体内に投与する治療ではなく、幹細胞が分泌する成分だけを利用するアプローチであることです。
幹細胞培養上清液には細胞成分は含まれないため、幹細胞そのものを投与する幹細胞治療に比べると、幹細胞培養上清液治療は必要な時間も費用も手頃でトライしやすい再生医療と言えます。


サイトカインや成長因子、エクソソームが身体に働く仕組み

幹細胞培養上清液に含まれる代表的な成分として、サイトカイン、成長因子、エクソソームが挙げられます。

サイトカインは、極めて微量で生理作用を示すタンパク質で、細胞間の情報伝達を担います。
サイトカインは種々の細胞により産生され、免疫・炎症反応のほか、細胞増殖や分化、細胞死や治癒等に関連するものなど、多様な生理作用を示します。

成長因子は、細胞増殖因子とも呼ばれるタンパク質で、細胞の増殖や分化を促進します。

エクソソームは、細胞から放出される微小な袋状の構造体で、細胞外小胞とも呼ばれます。
エクソソームの内部には、タンパク質、マイクロRNAやメッセンジャーRNA、脂質など多様な生体分子が封入されています。
エクソソームも、サイトカインと同じように細胞間の情報伝達を担っています。


細胞同士の情報伝達と幹細胞の役割

健康な状態の細胞も、老化や病気、ケガなどで損傷した細胞も、常に、細胞同士が情報をやり取りして古い細胞が新しい細胞に置き換わっています。
その際に、どこにどんな種類の細胞をどれだけ供給するか通常の細胞より多くの情報を提供し、その臓器で必要とされる種類の細胞に分化して不足する細胞を補う役割を果たしているのが幹細胞なのです。

そして、幹細胞から臓器を構成する細胞へ情報伝達と、細胞同士の情報交換の媒体の役割を果たしているのが、サイトカイン、成長因子、エクソソームなのです。

したがって、サイトカイン、成長因子、エクソソームを大量に含む幹細胞培養上清液が、新旧の細胞交換と組織や臓器の修復や再生のために、幹細胞と同様に働き、健康なからだの維持に有効なのはもっともなことなのです。


加齢による炎症・疲労・回復力低下にどう作用するのか

加齢とともに、からだでは慢性的な炎症が起こりやすくなり、疲労が抜けにくくなったり、回復に時間がかかったりするようになります。
これは、細胞レベルでの調整機能の低下が一因とされています。

幹細胞培養上清液は、こうした加齢による身体環境の変化に対して、修復や調整をサポートすると考えられています。


なにに効くのか?からだの変化に期待される効果

病気の治療として幹細胞や幹細胞培養上清液が有効なのはもちろんですが、未病の状態に使用する幹細胞培養上清液の効果については、

・疲労感の軽減
・コンディションの維持
・回復力のサポート
・肌や身体の調子の変化

などが期待されています。それぞれを詳しく見てみましょう。


疲労感の軽減

疲労の背景には、酸化ストレスの蓄積や慢性的な炎症、細胞レベルでのエネルギー効率の低下などが関与していると考えられています。
幹細胞培養上清液には、サイトカイン、各種成長因子、エクソソームが含まれており、これらが細胞環境を整える方向に働くことで、疲労が蓄積しにくい状態をサポートします。


コンディションの維持

体調は、免疫・自律神経・ホルモンなど複数のシステムのバランスによって保たれています。
加齢とともにこの調整機能が乱れやすくなることで、「大きな不調ではないが、調子が安定しない」と感じることが増えてきます。

幹細胞培養上清液に含まれる成分は、細胞間の情報伝達や組織の恒常性維持に関与して、結果として日常のコンディションを保つ一助になります。


回復力のサポート

運動後や体調を崩した後の回復には、炎症の収束や細胞の修復が重要です。
加齢によりそのプロセスが遅くなると、回復までに時間がかかります。

幹細胞培養上清液は、サイトカイン、成長因子、エクソソームを通じて組織修復や炎症調整に直接作用し、回復過程をサポートします。


肌や身体の調子の変化

肌や身体の状態は、血流、細胞の代謝、炎症状態などの影響を受けます。
幹細胞培養上清液に含まれる成分が、これらの環境を整える方向に働くことで、肌の調子や身体全体のコンディションの改善を感じる方もいます。

シンプルに美容に有効ととらえてもよいのですが、全身状態の変化の一部として現れるものと考えるのが適切でしょう。


点滴・注射など投与方法ごとの特徴と選び方

幹細胞培養上清液は、目的や症状に応じて注射されることが少なくありません。
特定の部位に集中的にアプローチしたい場合に、局所注射が選択されます。
Dクリニックの発毛治療では、既存の発毛治療の効果を高める目的で、幹細胞培養上清液を頭皮に注射(針なし注射)するケースもあります。

一方で、幹細胞培養上清液を点滴で投与することもあります。
点滴では血管内から成分を届けるため、全身に行き渡らせることができます。
未病の状態で、不調の部位が明確でない場合などは、点滴を選択してもよいでしょう。


安全性と国内外の臨床研究の動向

幹細胞培養上清液は、幹細胞そのものを体内に投与する治療ではない点から、比較的安価・安全でお試ししやすい再生医療のひとつと考えられています。
一方で、使用される原料や製造過程、管理体制によって品質に差が生じる可能性があるため、治療を行う医療機関の体制や説明を十分に確認することが重要です。

国内外で基礎研究が進められると同時に、臨床的な効果の報告も多く蓄積され、現時点では長期的な効果や適応について検証が行われているところです。
確立された治療と位置づけるには、まだまだ評価が必要な段階ではありますが、今後の研究の進展によって新たな知見が積み重なっていく分野として注目されている点は、非常に興味深いところです。


健康寿命を伸ばすために、今なぜケアが必要なのか

医療の進歩により平均寿命は延びていますが、重要なのは「いつまでどれだけ元気に過ごせるか」という健康寿命の視点です。

運動、食事、睡眠といった基本的な生活習慣に加え、必要に応じて医療的ケアを取り入れることが、これからの健康管理においてポイントになっていくでしょう。
健康な身体の環境を整えるための一つの手段として幹細胞培養上清液治療を取り入れてみてはいかがでしょう。

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