理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.355

Uber

DRkobayashi1
我が国における有史以来初の10連休となりましたGWも終了し、多くの皆さんは通常の日常生活に戻っておられる事と存じます。高速道路の渋滞予想が見事に外れてしまったり、お天気の急変で大変な目に遭われたり、逆に10日も連続で何もしない夫に居座られた事で、逆鱗に触れた奥様もいらっしゃるような記事(我が家ではないと思ってはおりますが・・・)も出回っておりました。そんな令和も半月過ぎましたが、コラム読者の皆様に於かれましてはお変わりなくお過ごしの事と存じます。

ここ最近のニュースでは交通事故による悲惨な死亡事故の報道が目に付いてしまいます。死亡事故そのものはここ30年減少傾向にあり、その昔では1970年に16,765人だったのを最高に、昨年では3,532人と徐々に減少傾向になってはおります。ただその原因として高齢者による誤作動?によるものが、少子高齢化の我が国においては最近特に問題視されてきています。

自動ブレーキによる衝突回避の機能や、事前に危険な状況をドライバーに知らせる機能など、いわゆるAIが取り入れられることにより、ケアレスミスによるヒューマンエラーでの悲惨な事故は今後益々減らすことは可能だと思いますが、このような報道を目にするとまだまだしばらく時間は必要のようです。あの園長先生の記者会見は胸が痛くなりましたよね~~~。

そんな車社会においてアメリカから一石を投じられて、我が国ではありがちなお上の規制や業界のしがらみ等の問題が当然あって、今のところは都市部のみの利用に限られておりますが、皆さんは『Uber』なる交通手段をご存知でしょうか?「ウーバー」と読みます。

いわゆるタクシーの代わりに利用するものなのですが、スマホのアプリから自分の行きたい場所を知らせて、今自分の居る場所周辺で待機中の車を呼んでそこに来てもらい、支払いは登録しているカードで決済するので、目的地まで運んでもらったら「ハイ、ありがとう」と降車するだけのシステムです。

ここまでだと普通のタクシーと同じではないかと思われるでしょうが、このシステムの肝はアメリカではこの営業を一般の人が自分の車でしている事なのであります。ロンドンのタクシーの運転手になるにはかなり高度な路線地図が頭にないと資格を得ることが出来ないと言われます。勿論アメリカでもタクシーの運転手は許認可事業であります。

それがこのウーバーはこの会社に自分と自分の車を登録すれば、誰でも直ぐにタクシー運転手になれることが凄いわけです。それもこれもGPS機能によるナビゲーションシステムの発達により、路線地図が頭に入っていなくてもナビ通りに安全運転さえできれば目的地にきちんと辿り着けるからでございます。

つまり我が国で言うところの無許可営業の“白タク”の総元締めをこのUberという会社が行っているのです。ですから我が国では白タクの営業は不可能ですので、色々なタクシー会社の車がこのUberに登録をして、そのUberのシステムを利用してタクシー営業を行っているのです。

このシステムをもう少し詳しく説明しますと、スマホでUberのアプリを立ち上げると自分がどこにいるのかが地図で示されます。そして次にどこに行きたいのかを入力します。そうすると自分の周りに走っている車の絵が地図に現れ、車のグレードによって値段が変わりますから自分がどのランクの車を使いたいかを選択し、そこで配車のオーダーをすれば自分の居るところに車が来てくれると言うシステムです。

しかしいくら便利とは言え海外などで利用するのに、一体どんな人でどんな車かわからないと当然不安になりますよね?そこでUberでは何という名前の人が、どんな車で、過去にどれくらい(何回)人を運んでおり、使用した人は使用後にそのドライバーを5つの☆でどのレベルだったかを評価するようになっていて、そのドライバーの過去における平均の星の数も利用者はわかるようになっています。

ですから、オーダーしようとしたらいまいちの車だったり、過去の運転の評価が低かったり(星の数が少なかったり)、そのようなことでどうも納得できないと思えばそのオーダーをキャンセルすることも可能なのであります。

よって運転手もいい加減な運転や対応をすると低い評価を受けますので、それなりに愛想が良かったり、安全運転をしたり、車内清掃に気を使っていないとリクエストを受けてもらえなくなりますので、出来るだけのサービスには必死にならざるを得ません。

一方Uberでは乗せる側にも客を選ぶ権利があり、利用者側もその都度各ドライバーから評価を受けるようになっているようで、わがままで横柄な態度をとるような乗客だと低評価をつけられて、近くにいてリクエストされてもそれに答えないことも可能と言う訳です。

先日このUberを利用していたら、いきなり運転手さんから「お客さんの評価凄いですよ!4.89ですから~~」と言われてしまったのであります。国内外でもまあまあ利用してはしていたつもりですが、ドライバーからそんなことを言われたのは勿論初めてであります。

恐らく客も5つの☆で評価をされておりその平均点が出ていたものと思われます。そして利用回数も延べで出ているようで、「数回の利用で高得点はでますけど、これだけ利用していての4.89は凄いですよ~~」と言われました。だからどうしたと言うお話ですが(笑)。

最近のネット社会では医療機関もこのようなポイントで評価されていたり、直接閲覧したことはありませんが、医者個人もこのような評価を受けていたりするのかもしれません。私自身はこのような評価に忖度したり、媚びたりするような診療するつもりは毛頭ありませんが、風評被害にもなりかねないかと若干の心配はしております。

運転手が乗せる客を選べるのであれば、医療者も診療する患者さんを選べたら・・・。そんなことはあってはいけないのが真の医療なのですけどね。
 
 

 
 
先程の乗客としての評価点は、現在高校3年生で受験体制真っただ中の娘に「君の学校での現在の評定よりも高得点だぞ」と軽く自慢したところ、思いっきり嫌な顔をされて父と娘の間に冷たい空気が暫く流れてしまいました・・・(汗)。

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